・元禄8年(1695) 『しちすつ假名文字使蜆縮凉鼓集』が刊行された。
※書名は、使い分けの必要な仮名を用いている、「しじみ(蜆)」「ちぢみ(縮)」「すずみ(涼)」「つづみ(鼓)」に由来する。四つ仮名の使い分けを述べたものであり、その使い分けが難しくなっていた世情を感じさせる(倉島節尚『中高生からの日本語の歴史』)。
※この書物が収録する「新撰音韻の図」は、ハ行子音を「唇音(唇の音)」ではなく「変喉(喉の音)」に分類している。つまりは「h」である。このころには「ハ」「フ」「ホ」の発音が、「ha」「φu」「ho」に変化していたことが理解できる(山口仲美『日本語の歴史』)。